2010.10.02 師匠
独学で漫画家になったあの人には
たったひとりだけ師と仰ぐ先輩がいた
その方は劇画の大御所でPC画の改組のような人物だが
何よりその人柄をあの人は尊敬してやまなかった
師匠はあの人の原作を何本も漫画にして下さった
その中で私が毎号楽しみにしていた作品があったが
残念ながら単行本にはなっておらずもう一度読むことが出来ない
もしかしたら携帯マンガになっているかも知れないが
私は携帯音痴で通話以外使っていないので探しようがない
週間漫画サンデー掲載「おいらん」いつかまた読みたい
その師匠から電話があった
(あの人が亡くなった時、急な事でこちらでは家族で簡単に見送るので
東京の納骨式に来ていただけたら嬉しいと伝え葉書を出していた)
師匠は私を気遣う言葉の後、あの人がプレゼントした猫が今も元気だとはなし
その後少しためらうように「妻が手術をする事になって…」と切り出した
私は間髪入れず「どうぞ、奥様のお側にいらしてあげて下さい
あの人も必ず同じ事を言います」と告げた
師匠は「退院したら真っ先に墓参りに行くから」と言って下さった
あの人とふたりで師匠の家に仔猫を届けに行った時、笑顔で迎えて下さった奥様
どうぞ手術が成功しますように
師匠に私のような悲しみが訪れないよう願いあの人に手を合わせた
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