この家で暮らし初めて1年半が経った頃
それまで細々と続いてきた
エステの仕事がなくなったのを期に
私は働きに出ようと思った

この家での暮らしはとても穏やかで
幸せで満ち足りていたが
それまでのアパートでの別居生活と違い
どうしてもお互いの時間を干渉してしまい
私はいつしか縫い物もしなくなっていた

私の趣味はどうでもいいが
あの人の仕事の邪魔をしていることは間違いない
優しいあの人は、私が居ると始終気を使う


とは言え15年も勤めていなかったので
体力的にも自身がなく
あの人との時間も大切にしたかった
それまで接客業の経験しかなかったが
生憎、短時間の接客業の募集はなく
取りあえず近所の生協の1日2時間の仕事に着いたが
「お前には無理だ」と言う
あの人の予想通り4日でねをあげた

仕事は単純で同僚も皆いい人だったが
冷蔵室の中で
トレーにびっしり並んだ豆腐(約10kg)を持ち上げ
目の高さの棚に乗せる作業
トレーはもちろん1つではない
同じように牛乳も重かった
それまであの人に甘やかされ
運動不足で腰痛持ちだった私にはハードルが高すぎた

あの人は気まずい私に代わって
同僚へのお詫びのお菓子を持って
辞めた職場に三角巾を返却しに行ってくれた

意気込んで働きだしたにも関わらず4日で辞めた私を
あの人が「お前にはラクな仕事しかできない」
と笑ったのが悔しくて
すぐに次の仕事を見つけた

家から2キロのところにあるポテトチップ工場
ポテトチップなら軽いし
時間も午後からなので
徹夜で仕事をしてお昼近くに起き出してくるあの人と
一緒にお昼が食べられる
-お弁当-

そんな安易な動機で勤めだしたパートに今も通っている

当初、自転車で通える距離と言うことで職探しし
1度だけ自転車で出社した事があるが散々だった
自転車なので車では通らない近道を通ったら
住宅街に迷い込み遅刻しそうになり同僚に笑われ
帰りは他の人の自転車を間違えて乗って帰ってしまい
あの人が会社まで取り換えに行ってくれた
それ以来、自転車で通勤する事はなくなった
-風邪-

久しぶりのお勤めは新鮮で毎日楽しかった
同僚もいい人ばかりだ
仕事の運動量は思っていた以上だったが
部活動のようなつもりで今も楽しく続けている
仕事と考えると時給に見合わないが
スポーツジム並の運動が出来
お小遣いも貰えると考えれば最高だ

あの人がいつも家に居てくれたから
暗くなって帰っても家には灯りがついて暖かかったし
帰るとご飯も出来ていた
洗濯物も干したまま出かけても心配なかった
安心だから仕事の残業は断わらず
6時までのパートなのに最高で10時まで残業した事もあった


今は暗い家に帰るのがイヤで灯りをつけて出ているが
それでも誰もいない家は寒々しい
疲れて帰るとご飯を食べるのも億劫になる
洗濯物も午前中だけ外に干して家の中に入れる
誰も待っていないんだからいくらでも残業出来るはずなのに
出来るだけ定時であがらせてもらっている



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最近、パートの仕事が益々きつくて
パートじゃなくハードになっている
人も少ないし、さすがに転職を考える時期かな…
来月、確定申告を済ませたら
まじめに求人広告を見てみよう

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