2010.10.30
あの人が私に与えてくれた嬉しい物は
どれもお金で買えない物ばかり

去年、あの人の癌が見つかった時
あの人が真っ先にしたのは
自分の心配じゃなくて私の心配だった
「俺が死んでもこの家は残るから大丈夫だ
おまえはあんまりお金を使わないから
家があればなんとか暮らしていけるだろう」って言った
私はその時
「家なんかいらない、やんちゃんが居なくちゃヤだ」って泣いた

あの人が本当に居なくなってしまって
今想うのは
家だけじゃなくて私の持っている物すべて
親兄弟も友達もすべて
大切な物を全部失ってもいいから
あの人を返して欲しい
それでも足りなければ私も消えてしまってもイイ
だからあの人を返して欲しい

もう
あの人の為に
出来る事が見つからない
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