2010.10.11 墓参り
納骨から6日、ちょうど49日に
あの人の眠る南千住に行った
家を出て5分も経たないうちにふたりで通った頃の事を思い出して涙がこぼれた
途中、いつも寄った道の駅でいつものようにお花と
あの人がおいしいと言っていた缶コーヒーを買った
あの人の記憶力はやっぱりスゴイ
最後の日に缶コーヒーを美味しいと言った時
その味が以前道の駅で買った物と同じだと覚えていた
その後、あちこちで同じ缶コーヒーを探したが見つからず
最後に行ったホームセンターにも行ってみたが、すでに同じ物はなかった
それが道の駅の自販機にあるなんてなんだか嬉しかった
お墓の分とお供え用に缶コーヒーを2本買い先を急いだ

途中の道すがら、楽しかった頃を思い出しては何度も涙がこぼれた
家を出てから2時間40分通り過ぎてしまったのではないかとハラハラしながらも
なんとか迷わずにお寺に着いた
駐車場に着くなり、あの人に会えると思ったらまた涙が溢れた
小雨が降っていたが、お花や荷物がたくさんあるので傘は持たずお墓に向かった
お墓には納骨式の時の物にくわえ新しいお花が供えられていた
私がメールで無理なお願いをしたあの人の幼なじみが来て下さったのだ
嬉しくて嬉しくて涙がこぼれた
少し痛んだお花を処分し新しいお花と缶コーヒーと
あの人が禁煙してからずっと噛んでいたガムとお線香を供え墓前に手を合わせた
色んな想いがいっぺんに溢れだして涙が止まらなかった
しばらく墓前に佇んだあと
高齢でお墓を訪れる事の出来ない義父母の為にお墓の写真を撮った
義母は義父の身体を気遣い納骨式にも参列出来なかった事を残念がっていた
帰りがけ、住職の姿をお見かけし声を掛けた
納骨式の際のお礼の言葉の後
私が「戒名に優の字を入れて下さってありがとうございました」と言うと
住職は「戒名は私が付けるのではなく仏様の導きで自然に出てくるのです」とおっしゃった
「とても優しい人だったんです」と言ったらまた涙が溢れてそれきり声にならなくなった
住職は「少し休まれて行かれますか」と気遣ってくれたが
丁重にお断りし何度もあの人の事をお願いして寺を出た

寺を後にし旧友との待ち合わせ場所へと急いだが
連休初日のせいか渋滞で南千住から草加まで1時間もかかり
約束の時間丁度くらいにやっと到着した
駐車場に車を止め降りてすぐに彼女を見つけた
「みどりちゃん、ひさしぶり」と声をかけると
彼女は「ともこ痩せたね」と言った
彼女の知っている20代の私と今の私の体重はほとんど変わらない
痩せたのではなくやつれたのだ
適当なお店に入りランチを食べながらたくさん話をした
あの人の話、昔の話、彼女のお嬢さんが去年結婚した話しなど話は尽きなかった
休日のお店でそう居座るのも気が引けるので
元の駐車場に戻り私の車の中でまた話をした
どれくらい話していただろう、あまり遅くなると運転が不安なので
お互いのおみやげを渡し再会を約束し彼女と別れた
彼女が昔と変わりなくやさしくて可愛かったのが嬉しかった

帰り道、あの人とよく寄ったハンバーグ屋さんの横を通ったらまた涙がこぼれた
想い出にひたりながらぼんやりハンドルを握っていると
突然後ろのほうで「ドスン」と音がしたので慌ててバックミラーを見た
私のすぐ後ろを走る大型トラックに乗用車が衝突し
乗用車のフロントがグシャッとつぶれているのが見えた
とっさにあの人が私を守ってくれたと思い「ありがとう」とつぶやいた
行きと同じ道の駅に寄る頃にはすでに辺りは暗くなって雨も激しくなっていたが
いつものように会社の人達へのおみやげを買い家路に着いた

家に戻るとあの人の位牌の不在票が入っていた
すぐに連絡し届けてもらう
なんとかギリギリ49日に間に合った
位牌を仏壇に納めるとまた涙がこぼれた
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