休みをとって朝から確定申告に向かう
確定申告はこれまでも私がしていたが
今回は今までの申告と同じで良いのかわからず
変更がないだろうと思われる箇所以外は
計算と下書きのみを済ませ栃木市の商工会議所へ

途中、道路工事で渋滞にはまるも10時に到着
すでに駐車場は満車に近い状態ながら
第二駐車場の奥の方へなんとか駐車し
建物からはみ出した長蛇の列の一番後方に並ぶが
例年よりも気温が低く風も冷たい
待ち時間はどれくらいだろう
ひとりでは長いな…そう思う間もなく
「こんにちは!」と肩をたたかれる
振り向くと見知らぬ高齢の女性が微笑んでいる
反射的に笑顔で「こんにちは、寒いですね」と答えると
女性は「あらぁっーこんなに並んでるの?」と話してくる
それからはもう、知人のように話が続き
女性は義母と同じ84歳で昨年9/1にご主人に先立たれ
今は息子さん夫婦と同居していて
今日は和裁をされるお嫁さんに車で送ってもらった事や
以前はお店をやっていた事
今も自分で出来ることは何でもする事など色々お聞きしながら
(私もこんな風に明るく歳を重ねていきたい)と思った
女性は常に笑顔で悪口や愚痴を一言も言わなかった
途中、寒さを心配して
私が「場所を確保しておきますから
休憩所で座って暖をとってきて下さい」と申し出たが
彼女は「これも経験だから並んで待つわ」と言った
1時間半ほど並んだだろうか
私の順番が回ってきて「頑張ってね」と言われ彼女と別れた

さて、税務署の職員さんに用紙を見せながら
「主人が昨年亡くなりましたが
以前と同じ申告でよろしいですか?」と聞くと
職員さんは親切に訂正個所を説明して下さり
お陰でスムーズに清書出来て用紙を提出
今年は期待していなかったのに税金が戻るらしい
しかも私の分も別口で戻ると言うが
それには直接税務署での計算が必要との事で
税務署の地図を受け取り外へ出ると
女性が向かえの車を待っていた
「お母さん」とお声をかけると
「また会えて嬉しいわ」と言って下さり
少し話しているとお嫁さんの車が見え
「元気でね」「お母さんもお元気で」と別れた

予定外の税務署へと向かいながら
こんな事ならナビちゃん連れてくればよかったと後悔
栃木の街は古く狭い道が解りづらい
途中で路肩に車を止め地図をひっくり返しながらも
なんとか税務署へ到着し
目的の私の分の申告も無事完了
来年からの計算方法も教えて頂いたので次は自力で出来そうだ
この日の税金の戻りだけでパート2ヶ月分になった
期待していなかっただけに嬉しい

帰り道、最近覚えたセルフスタンドでガソリンと灯油を給油
ドラッグストアーにも寄ってお花や食料品を購入し家に戻る
遅めの昼食を食べてから洗濯物を取り込み
夕方、例外の親友が寄る事になっていたので
掃除機でもかけようかと思っていたら突然揺れだしたが
昔から震度3くらいの地震が多い地域の為
いつものようにやり過ごそうと思った
しかし今回の揺れはいつもと違っていた
とにかく激しい揺れが止まらないばかりか
テレビもPCも電気も一斉に消えた
とっさに花瓶に生けたばかりのユリを左手で抱え
もう片方の手で激しく揺れる柱時計を抑える
(いざとなると何をしたらいいのか判断出来ないようだ)
時計から手を離せないまま「早く止まれ」と祈っていると
バリーーン!!と大きな音と共にガラスが割れた
その時は何故ガラスが割れたのかもわからなかったが
突然、瓦が窓ガラスを割って飛び込んできたので
時計を抑えずコタツに座っていたら怪我をして居ただろう

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どれくらい経ったのか揺れが落ち着き我に返り
2階の猫達の様子を見に階段を駆け上がる
猫部屋の戸を開けるが猫達の姿はない
「ニャーニャ」「ニャーニャどこ?」の
私の呼びかけに恐る恐る物影から出てきた猫達に
「怖かったねぇ~痛い痛いしなかった?」と声をかけ
それぞれの頭を撫でながら被害を確認するが
猫達の水がこぼれてしまった以外に何も変わった様子はなく
水だけをつぎ足し「また来るからね ゴメンね」と茶の間にもどり
割れたガラスを眺め溜息をついていると

外で「大丈夫ですか~?」と声が聞こえる
「大丈夫です」と言いながら外へ出てみると
ご近所の方が数人集まって無事を確認しあっていた
ブロック塀が崩れたお宅も複数あったが怪我人は居ない
一通り無事を確認し それぞれ家の片づけに戻る

私は取りあえず割れたガラスを片づける
手を切らないように軍手をし
足を切らないようにスリッパを履いたまま
飛び散ったガラスの破片を空き缶に拾い集め外に出し
掃除機をかけようと思い電気が使えないことに気づく
なんて不便なんだろう
仕方がないので座布団やコタツ布団を外でパンパンし
畳をほうきで掃いてからひたすらクルクル
暗くなってガラスの破片が落ちていると危ないので
とにかくクルクル

なんとか落ち着いた頃
玄関から「ごめん下さい」の声
例外の親友だ
電話も繋がらないし、この大地震だ
今日は来れないだろうと思っていたのに律儀にも来てくれた
「大丈夫ですか~?」と言い家の回りを点検してくれ
ガラス以外に大きな問題がない事を確認し
次に防災用品を問われ懐中電灯の電池が切れている事に気づく
例外の親友は「私は懐中電灯マニアなのでたくさん持ってるから
置いていきますよ」と車から懐中電灯を2つ持ってきてくれた
「1つで大丈夫だよ」って言ったら
「電池が切れるといけないから」と2つも貸してくれた


この例外の親友はサラリと優しい
けして恩にきせる事はなく相手に気を使わせない
年末に遠い主人の墓参りに行ってくれたのも
今頃になって「近くを通ったから墓に寄りました」と言う


主人と同じくコーヒー好きの例外の友人には
いつもコーヒーを入れるのだが電気が使えないから
「冷たいお茶でゴメンね」と言いながら一緒にドーナツを食べ
初めて地震の震源地などの情報を知る
道路も停電のため信号が消え大渋滞になってるとか
電話と携帯はまったく繋がらないとか貴重な情報を色々聞き
この後、仕事で人と待ち合わせてると言うので
「ありがとう、ホントに助かった」と見送る

この時はまだ停電がすぐ終わると安易に考えていたので
懐中電灯の有り難みを本当に実感したのはその後だ
結局、暗くなっても電気が付く事はなく
懐中電灯がなかったら2階やトイレにも行けなかった
テレビもPCも電話も猫部屋の暖房も使えず
仕方がないので猫達に2個ずつホッカイロを配り
「暗くて寒くてゴメンね」と謝った
深夜電気が付くまでの間
私は暗く静かな部屋で余震の度に石油ストーブを消しながら
何度も実家と姉と同僚への電話を試みたが繋がらず途方に暮れたが
幸い水とガスは使えたので食べ物には不自由しなかった
後で気づいたが、お湯も沸かせたから暖かいお茶も出せたのだ
実家の安否も直接車で行けば確かめられるのはわかっていたが
信号が消え混乱した町を無駄に移動して事故に遭ってもいけないし
余震の続く中、猫達を家に残し出かける気にはなれなかった

深夜1時過ぎ、電気が付きテレビで被害情報を知り
地震の大きさとあまりの被害の大きさに驚いた
ガラス1枚の被害で済んだ事に改めて感謝した

翌朝、身近な人達の安否も確認し割れたガラスも入り
余震はあるものの平常の生活に戻って行く中
物資の購入が困難になっている事を知る
偶然だが事前にガソリン、灯油、食料を確保出来て助かった

ネットを開くと私を心配して下さる書き込みが…
皆さんの優しいお気持ちと温かいお言葉が
本当に有り難くて、嬉しくて涙がこぼれた

私が頂いた優しさを少しでも被災された方に届けたい
たとえ僅かでも今自分に出来ることをしたいと思った

2011.03.15 今、思うこと
連日報道される被災地の現状に
何も感じない人はいないだろう

その気持ちとは裏腹に
必要以上に買い占められ不足する物資と
計画停電に翻弄される生活

どちらも現実だ

大切な人を突然失う悲しみは誰よりも理解できる
だが、私には今までと同じ生活環境が残された

大切な人ばかりか
すべての生活を奪われてしまった被災者の方の
深い悲しみと喪失感を思うと言葉がない

今は同じ境遇の人達と
力を合わせ頑張ることで保たれている気力が
いつ切れてもおかしくない


私は主人を亡くして間もなく
私にとってのみ主人の死が日常なのだと知った
どんなに悲しんで下さる人も
平常の生活をもっている

でも、それはとても有り難いことで
だからこそ、私は心強かった

今は、まず自分の生活を保ちながら
出来ることをし続けたい

平成23年東北地方太平洋沖地震「募金情報まとめ 」



  【 ご連絡 】

ご心配いただきありがとうございました
はくさん・loneさん・シビルエンジニアさん」の
ご無事を確認出来ました


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ぴゆうさん蘭さんが作って下さいました
皆さんも是非使って下さい



※ 毎月22日のみの更新予定でしたが
 地震当日、私の出逢った強く優しい人達を通して
 被災者の方を応援したいと思い記事を書きました