2010.10.01
あの人に出会った頃、やさしい中にも牙を隠し持っていた
それはあの人を支えていた大事な物だったに違いない
30歳を過ぎて漫画家になれたのも今思えば牙があったからこそだったのだろう
ここ数年、穏やかに暮らす中いつの間にか牙は姿を消していた
このまま二人で平穏に暮らすのに牙は必要なくなっていたのかも知れないが
こんなに早く旅立ってしまうくらいだったら最後まで牙を振りかざして欲しかった
あの人のしたかった事、残さなければいけなかった事はすべて誰にも代わる事が出来ない
出来ることなら私が代わりに旅立ってあげたかったと思うがそれも叶わない
今は残された私に出来る事を必死で模索している
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2010.10.01 遺品
あの人が亡くなった直後から、何かに取り憑かれたように遺品を片づけた
ギターやカメラはあの人の友人に貰ってもらい、PC周辺機器は甥っ子達が持って行ってくれた
衣類もタンスに収まるだけ残し処分した。
残った物は、原稿を手書きしていた頃のカッターで傷だらけになったテーブルや二人で選んだ家具
そしてそのうちあの人がなんとかしてくれるだろうと、地デジ化していなかったブラウン管テレビだった
買い換えようかとも思ったが、テレビの箱を嬉しそうに抱えて笑っていたあの人を思いだし
このままチューナーとアンテナを取り付け、壊れて見えなくなるまで大切にしたいと思う
2010.10.01 神棚
4年前に越してきた家にはもれなく氏神様のお札が付いていた
それまで不信心だった私たちも小さな神棚を買い
毎日お塩とお米とお水を取り換え、1日と15日には榊とお酒をあげ
亡くなる前日まで、毎朝二人で手を合わせていたが 
何よりも一番大切だったあの人が亡くなり、神様に願う事など何もなくなった